2015年10/14(土)に総合領域主催のUX SHIGA 第四回目が開催されました。
講師に浅野 智先生(UXコンサルタント・研究者)をお招きいたしました。
-「エスノグラフィとカスタマージャニーマップ」
今回は「エスノグラフィとカスタマージャーニーマップ」の授業が行われました。
はじめに質的調査とカスタマージャーニーマップを用いた設計について講義を受けました。
質的調査を行うにあたって【利用者/対象者を正しく知る】ことが重要になります。
カスタマージャーニーマップの設計では、ある事項を達成するまでの過程を一連の流れで書き出して、その流れを見て問題点を見つけ出しよりよく改善します。
-大切なことは技術力でない
授業自体から少し話が逸れて、浅野先生から仕事をするにあたってのお話しをお聞きしました。
お話の中で先生が「技術力を高めるのではなく、人を見る力をつけなさい」とおっしゃった言葉が印象的でした。
わたしは制作しているときに自分の作りたいものを頭の中の想像と同じように正確に作ることを考えます(中々上手くいきませんが…)。ですが、これって本当は重要じゃないのかなあと感じました。
盲目にものを作ったりそれがどんなものになるかにこだわるのではなく、誰にどんな力があってどこにどんなニーズがあってわたしは何をするべきなのか感じ取る力や知ろうとする力が必要だと気がつきました。
時代の流れによって廃れることがない/どんな状況でも発揮される。力をつけることが大切だと感じました。
-いざワークショップへ!「最悪の旅」について考える
はじめにインタビューを行いました。テーマは「最悪の旅」体験。
5人でチームになってそれぞれが巡に最悪の旅の話をしました。全員の最悪の旅の話を聞いたあとに最もサービスに改善の余地があると思われる話を1つ選んで再度深く聞きます。
わたしのチームでは「彼女と青春18切符を使って旅行に行くが、途中で人身事故によって電車が動かなくなり彼女が不機嫌になる」旅を選びました。
そしてその旅の話を聞いて、カスタマージャーニーマップを作っていきます。
なぜ旅に行くことになったのか、どうやって切符を入手したのか、などなど旅に関わる項目をポストイットに書き出していきました。
この時に迷った項目がペルソナが目指すゴールについてです。はじめは「青春18切符を使って旅に行く」にしていましたが、先生から「これは違うよね」とのご指摘をいただきました。
ペルソナにとって最も大切なことは「青春18切符を使って旅に行くこと」ではなく「彼女とご機嫌に楽しく旅に行くこと」でした。
一緒に旅に行くことによって彼女が喜ぶ姿が見たかったのです。本質が見えるまで中々右往左往していました。
そしてそのゴールに向かうまでのどこに問題があって、どう改善すれば良いか考えていきました。
わたしたちのチームは最終的に「電車が遅れた時に青春18切符を使っているお客さんに対応が欲しい」ということを提案しました。(時間が足りなくなり、非常にざっくりとしたところまでした考えられませんでした…)
-UXとは「サービス」を使用したときに得られる経験である
そしていよいよプレゼンへ。
どのチームもプレゼンする中で大きな問題が見つかりました。それは「サービス」について考えられていないということです。
UXは大前提として「サービス」を考える必要がありますが、どのチームも「ユーザーのゴール」と「サービス」の関連を考えずに失敗談だけでカスタマージャーニーマップを作ってしまいました。
それを浅野先生にご指摘いただき、参加者のほとんどがその場でそのことに気がつきました。
わたし自身も頭がこんがらがってしまって、何がUXに関するサービスであるかあまり理解できていない状態でした。
この失敗を繰り返さないようにするために、普段の生活から
1)常に好奇心と問いを持って生きる(なぜだろう)
2)モノではなくヒトを見る(サービスとは何か)
3)常にゴールを意識する(本当にそれなのか)
4)人と違う方向から見る(予定調和を壊せ)
ことを頭に置いて暮らす訓練が必要になりそうです。(4箇条は浅野先生のブログから引用)
次回のUX SHIGA は12/5(土)に行います。