新緑の候、歴史的な要地である京都府大山崎、アサヒビール大山崎山荘美術館とサントリー山崎蒸留所を訪ねました。


この周辺は、古くから利休の待庵や、離宮八幡宮などが点在している歴史的な場所として知られています。
アサヒビール大山崎山荘美術館は大正から昭和初期にかけて関西の実業家・故加賀正太郎によって建築された「大山崎山荘」(登録有形文化財)が元になった美術館です。のちに安藤忠雄設計により建築された新棟が加わりました。コレクションは民藝運動に参加した作家の陶磁器を中心として、工芸品、日本画、近代絵画、現代彫刻などで構成される約1000点を所蔵しています。

ここで企画展「ウィリアム・モリス -デザインの軌跡」を鑑賞しました。イギリスの思想家、詩人であり近代デザイン史上に大きな影響を与えたウィリアム・モリス(William Morris 1834-96) 。なかでも自然の樹木や草花などをモチーフにしたテキスタイルデザインは、今日でも少しも新鮮さを失わず世界中で愛されています。

当日のギャラリートークでは、学芸員による展示の見どころ解説があり、モリスが活躍した当時のイギリス産業革命中に「アーツ・アンド・クラフツ運動」を先導し、同時代のデザイナーたちと共に「生活の芸術化」を推し進めた話がありました。また、展示物と合わせて「大山崎山荘」の建物や家具、調度品と重厚な趣あふれる空間からは当時のイギリス文化や様式美の影響がいっそう感じられました。
(尚、美術館内の撮影は許可されていません。)

サントリー山崎蒸留所では、ウイスキーにまつわる様々な展示を見学しました。山崎のシングルモルトウィスキーがどんな風に造られているのか、余す所無く知ることができる施設となっていました。今回、製造工程見学はできなかったのですが、テイスティングカウンターでは蒸溜所ならではのお酒や希少なウイスキー原酒を楽しんでいる学生もいました。この施設には海外からの訪問客も多く、日本の洋酒が国際的に高い評価を受けていることがわかります。
天王山の南麓、まぶしい日差しのなかで豊かな水の恵みに思いを寄せながら自然と文化を体感できた一日でした。