2015年10/12(月)に総合領域主催のUX SHIGA 第三回目が開催されました。
講師に浅野 智先生(UXコンサルタント・研究者)をお招きいたしました。
今回は第二回目に行った「オブザベーション(観察法)ワークショップ」を基にして、具体的にゼリーのパッケージを提案しました。
わたし自身も受講生として参加しています。
まずは調査から設計をするにあたって、洞察と問題発見の重要さやその方法について先生からお話しいただきました。
パッケージを提案する際には《モノ》でなく《コト》で考える、ユーザーの利用状況と得られるUXのゴールを明快にすることが重要になります。
それらを踏まえて9コマシナリオを作成しました。ペルソナを設定するにあたってコンテクスト(ここに至った経緯)、ゴール(得られるUX)、ブランドプレファレンス(趣味嗜好)を重点的に考えその人はどのような人でありどのような行動をするか設定します。またそのペルソナがゼリーを利用する状況、ゼリーを継続して利用したイメージをA4用紙9枚で描き表します。
ここでわたしたちのチームはその人自身の環境(どこに住んでいて、家族構成はどうである)などを重点的に考えていたのですが、先生に「そんな所はどうだっていいんだよ」と言われ早くも躓いていました(とほほ)
ユーザーはどのようなコトを求めている人間で、なぜそれを求めているのかを明確にする必要がありました。
またそこからゼリーのパッケージを考えていきます。
ここではパッケージが重要なのではなく、ユーザーがそのパッケージのゼリーから新しい体験を得ることが重要になります。
多くのチームはパッケージの形をイラストに描いて提案をしていましたが、これは失敗です。
わたしたちのチームもどういう形が良いかなあと絵を描きながらうーんと悩んでいましたが、先生に「無駄だよ」と一刀両断されました。
ついつい《形》に目がいってしまいますが、《体験》を考えることが大切だとここでもう一度気付かされました。
それからはまずユーザーの利用状況を絵に描きながらどういう新しい体験がパッケージにあれば良いか話しながら進めていきました。
各チーム悪戦苦闘をしながら、何とか9コマシナリオをまとめました。
最後に各チームでプレゼンを行いました。
ユーザーが得られるUXを明快にしパッケージを提案したチームの9コマシナリオです。
このように成功したチームもあれば、コトからではなくモノでパッケージを提案してしまったチームもありました。
自分たちが出した提案にのめり込んで進めてしまうと、それ自体がズレていた場合にも間違いに気がつかずにどんどんと進んでいました。
授業内でもしきりに先生が「他のチームがどんな提案をしているか見に回りなさい」とおっしゃっていました。
いずれもどのチームも真剣に取り組み、プレゼンが終了しました。
第一回目の時からわたしの中で一番難しい点は《モノ》でなく《コト》を考えることです。ついつい、形に気を取られてしまいます。
《コト》で考えるという感覚がよく分からなかったわたしですが、今回の第三回目ではようやくその感覚を感じる瞬間が何度かありました。
それは、実際にパッケージを考える中で何度も「《コト》を考えよう」と意識して行っていたことが良かったなと思います。(それでも何度も《モノ》を考えてしまって、軌道修正をしていました)
《コト》と《モノ》を分ける感覚はどうしたらつきますか?と浅野先生に質問したところ、「UXを始めたばかりの君にそんなことをすぐ分かられちゃ困るよ」というお答えをいただきました。
これは何度も何度も訓練するうちにどこかの節目でパッと理解できるようになるそうです。
これからは色々なものを《モノ》と《コト》どちらで作られているか推理しようと思います。もちろん自分がものを作る時もどちらであるか自分で自分を疑いながら進めていきます。
いつか《モノ》《コト》感覚が身につくその日まで。
総合アシスタント和田
次回のUX SHIGA は11/14(土)に行います。