卒業制作展 2024が開催されました

展示作業の様子

2月1日(木)-2月4日(日)
京都市京セラ美術館にて、卒業制作展 2024が開催されました!
こちらの記事では卒業制作展の展示風景をお届けします。

本年度は4回生14名が出品。
学生によって作品のジャンルに幅広い違いがある、総合領域ならではの展示となりました。
今回はそんな展示から数点、作品をピックアップしてご紹介します!

なにしてあそぶ?
青山 萌菜美

年齢を問わず、自由な遊び方ができる食べもの型の玩具。
自分好みのお弁当をつくったり、カロリーの合計で競ったり、
決まったルールは存在しないので、思いついた遊び方で楽しめます。

よりごころ -癒しのお薬箱-
桑原 歩花

心を癒すためのお薬箱として、
入浴剤や紅茶、アロマといった様々な癒しの商品を備えておくサービスの提案。
使用して中身が減ったら、専用サイトから追加購入できる仕組みです。

つぐがみ -紙でつぐ・紙をうけつぐ-
片山 ひより

A4サイズの紙に切り込みを入れることで、
紙同士をどんどん継いでいくことを可能にしたプロダクト。
紙を継ぐことによって「手書き」の特性をさらに活かし、紙の価値と魅力を未来に受け継ぎます。


■開催概要(会期は終了しました)
会場:京都市京セラ美術館
2024年2⽉1⽇(⽊)〜2⽉4⽇(⽇)
10:00〜17:30

■卒業制作展 2024 総合領域 受賞作品
【優秀賞】「ほら、連想してる。」-佐藤 裕紀乃
【奨励賞】「なにしてあそぶ?」-青山 萌菜美
【佳作】「保護ぬいカフェChouChou」-大倉 未来

優秀賞の佐藤さんの作品は4月1日から27日まで成安造形大学内ギャラリーで開催されます「卒業制作展 SLECTION展」に出品されます。
詳細については改めてお知らせいたします。

総合デザイン実習2成果展

成安造形大学のスパイラルギャラリーにて総合デザイン実習2の成果展を開催しております!
この実習では「これからの社会のあり方を意識したうえで、地域文化や地域が有する特長的な技術を活かした新商品の提案」をテーマとしています。グループワークで、商品企画からデザイン、販売促進までの一連の商品計画の課題に取り組みます。

やめ×やみぃ
福岡県八女市福島町が発祥の八女提灯に着目したプロダクト。
八女提灯とは八女市内の冠婚葬祭、地域のお祭りで利用されている家の玄関に吊るしたり、仏壇の傍らに置かれ、夏のお盆シーズンには欠かせない仏具の一つ。
課題として、冠婚葬祭の縮小化、そもそも仏壇がない家庭が増え、需要が減りつつあることや若者の認知、購入が少ないことが挙げられる。
そのような課題に対しグルメでお祭り好きな福岡の若者をターゲットとした「ちょうちんグラス」「ちょうちんホルダー」「ちょうちんメモ」の提案。

えんじょもんプロジェクト
えんじょもんは「よそ者」の意味をもつ石川県の方言。近畿地方の方言に由来を持ち、独特な敬語や柔らかな表現が特徴の石川県の方言についての企画です。
県民が方言に対して特別さやポジティブなイメージを持っていないことから、方言の特別性と認知を高め、県民に愛着を持ってもらうために拡散することを課題としました。ピアス、イヤリング、指輪、ヘアピンを作成、企画を紹介するWebサイトを立ち上げました。

このプロジェクトは令和5年度「seianチャレンジ(学生が取り組む地域活動支援制度)」に採択され、授業後も引き続きブラッシュアップを行っています。

四方竹のティーセット
四方竹とは高知県の特産品で秋だけに採れる茎の部分が四角いタケノコです。
放っておくとどこまでも伸び、放置竹林になると土砂崩れが起こりやすい状態をつくってしまうため、今後も四方竹産業の担い手が必要です。産業を活性化し若年層も巻き込んでいくことを課題として地元愛に着目したティーセットを考えました。

配置ふり薬
富山県発祥の配置薬に着想を得たふりかけセットの提案。
「食べて美味しい、見て知れるいつの間にか一石二鳥の知恵が身につくおくすり」をコンプトに、配置薬をイメージして現代にも合うようにレトロポップなデザインのふりかけセット。パッケージ裏面には豆知識も載っておりご飯にふりかけをかけるときいつの間にか学べるように工夫しています。


ぜひこの機会にご高覧いただけますと幸いです!

【開催期間】2023年11月30日(木)-12月19日(火) 11:00—17:00 / 日曜休館
【会場】成安造形大学 本館棟 スパイラルギャラリー

宮川印刷株式会社への工場見学

こんにちは。総合領域助手の山﨑です。
総合領域の卒業制作では毎年、自分で制作できない大きさのパネルや、アクリルスタンドなど特殊な素材の制作物を印刷会社に発注することがあります。
そこでアイデアの引き出しを増やすためにも、卒業研究2の課外授業で滋賀県大津市にある宮川印刷株式会社を訪れ、実際の制作工程や使用されている機材などを見学しました!



まずは製版機とオフセット印刷機についての紹介。
オフセット印刷では、アルミの版をCMYKの4色作成し、版をもとに大量に印刷することができます。オフセットにも油性インク印刷機とUV硬化型インク印刷機があり、それぞれの特長を教えていただきました。筆者は油画専攻の出身なので、油性インクが油絵具と同じように酸化重合(インク中の油が空気と接触して化学反応を起こすこと)によって乾燥することに驚きました!



次に、UVインクジェットプリンターについてです。この印刷機では、紙以外のプラスチック素材や厚みのあるパネルにも印刷することができます。アクリルや木材や布などさまざまな素材にも対応しているため、クリアファイル、スマホケースやコースターなど制作物の幅が広がります。



次に断裁機のデモンストレーションをしていただきました!

この機械で正確なサイズに紙をカットします。紙の束の側面を手で触ると、重なった一枚一枚の境目がわかりますが、裁断した後は境目がないようにツルツルに切り揃えられていました!この実演は小学校の社会科見学でも一番盛り上がるとのこと。

0.2mm以下の誤差(髪の毛ほどの差)で断裁できる精度の高さに、教員も含め一同大いに驚きました!

宮川印刷株式会社は印刷にとどまらず、デザイン制作、ノベルティの提案、後加工の管理など、目的に合わせた幅広いサービスを提供しています。今回の見学で、さまざまな印刷方法や加工技術を学び、制作のアイデアが一層広がったのではないでしょうか。

宮川印刷株式会社の皆さん、本当にありがとうございました!

湖西線アートプロジェクト第3弾アート制作ワークショップを開催します

総合領域3年生が前期の授業から取り組んできた、湖西線アートプロジェクト。

2021年の近江舞子駅、2022年のおごと温泉駅に続き、今年は近江今津駅で開催します!

近江今津駅がある高島市には、県内有数の観光スポットであるメタセコイア並木があります。

今回はメタセコイア並木をモチーフとした手形やスタンプによるオリジナルアートを、総合領域の学生と一緒に制作。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください!

●日時: 2023年10月21日(土) 11時00分~15時00分頃

●場所: 近江今津駅(1階改札外コンコース)

●共催:成安造形大学 湖西線アートプロジェクト、JR西日本 京滋支社

●協力:高島市、成安造形大学 未来社会デザイン共創機構

展覧会「ON PAPER 紙にとどまるもの」について

暑さが続く7月に展覧会「ON PAPER 紙にとどまるもの」を開催しました。
私たちの暮らしでは「紙を使わず」に紙媒体を電子化しデータとして活用・保存するようになってきました。
そのような中でも「紙を使った」アート作品は、版画やドローイングやオブジェなどたくさんあります。

多くの作家は、紙に絵の具やインク等を使って表現しますが、そこには時が過ぎても思考の跡がとどまっています。
会場では、長尾個人のコレクションを中心に美術領域の教員を含めた44人の作家による55点の作品を展示しました。
あわせて1950年代からの時代背景を考察して、美術雑誌やポスター等の展示も加えて、印刷やデザインとの接点も探りました。

成安造形大学 [キャンパスが美術館] ギャラリーアートサイト 、ギャラリーウインドウの展示風景。

本展では総合領域の研究生とゼミ生による鑑賞プログラムを実践しました。

研究生のLAI BOHANさんの撮影と編集による「Review of artbook」と題した映像作品を披露しました。また、総合領域4年生の阿部優輝さんが「鑑賞の手引き」を編集、作成しました。在校生や受験生に向けて、本人のイラスト入りでドローイングや版画の技法を紹介し、わかりやすく解説しています。それぞれ企画・監修は長尾が担当しました。

2023年7月26日 

本学において京都市立芸術大学美術学部版画専攻研究室(指導教員:吉岡俊直教授ほか)と成安造形大学美術領域(指導教員:岡田修二教授、馬場晋作准教授ほか)で合同授業を実施しました。本展の趣旨をふまえて事前に各大学の研究室から発表する学生2名を選出しました。当日は会場にて作品解説を長尾、中谷至宏教授が行い、その後は、教室に移動して版画専攻の学生と成安造形大学の学生(総合領域、美術領域)らが活動報告を行いました。各教員からは作品の講評をいただき、教員や学生らと意見交換することで交流を深める機会になりました。

猛暑が続くなか、本学のギャラリーや会場には多くの学生たちが集まっていただけました。合同授業では、日頃から熱心に取り組んでいる様子が伺えて、暑さに負けない盛り上がりを見せていました。(文・長尾浩幸教授)

関連記事:「ON PAPER 紙にとどまるもの」展 レビューについてはAMeetをご参照ください。

https://www.ameet.jp/feature/4793/

総合デザイン演習6 ワークショップの様子

7月26日(水)に総合領域3年生の授業「総合デザイン演習6」で仰木の里東小学校学童クラブの小学生を対象としたワークショップを行いました。

「総合デザイン演習6」では、ワークショップデザインを学ぶ授業を行なっており、今年度は「CO2ネットゼロ (脱炭素)」をテーマにしました。

ワークショップを作るにあたって5~6月にかけて授業の中で、滋賀県や滋賀県地球温暖化防止活動推進センターの職員の方々による講義や啓発プログラムの実演を行っていただき、 気候変動・CO2 ネットゼロの現状や施策を学んだうえで、WSを通じてどのように子どもたちへこの問題を伝えられるかを検討しました。

そして7/26(水)は授業を通して学生がデザインしたワークショップを学童クラブにて出張開催しました。

全4チームでそれぞれ以下のテーマで取り組みました。

① びわ湖の全層循環 オリジナルカードを使ったカードゲーム ワークショップ
② ごみ問題 オリジナルすごろくを使ったワークショップ
③ 生活の中の省エネ オリジナルイラストを使った謎解き ワークショップ
④ エコロジーマークとゴミ 自作クイズとリアルな商品を使ったワークショップ

どうすれば小学生に環境問題を自分ごととして捉えてもらえるのか、工夫して教材をつくりました。
今回のワークショップから、2つのグループが今後もプロジェクトとして取り組むことが決定しました。
今後の活動が楽しみです。

長尾浩幸先生の企画展覧会 「ON PAPER  紙にとどまるもの」が開催されます

7月18日(火)から7月29日( 土)まで総合領域教授の長尾浩幸先生の企画展覧会「ON PAPER  紙にとどまるもの」が開催されます。
お誘い合わせの上、是非ご高覧ください。

シリーズ「ミラー・オブ・ザ・ミラー ニューヨーク」より 左からモーニング・コーヒー、ランチ、パーティー   リトグラフ、紙 1972 

「Works on paper」は、紙を支持体とするあらゆる芸術作品を含む広義の意味です。ドローイング、絵画、版画、写真、コラージュ、オブジェ、彫刻など、展示される作品はすべて何らかの形で紙を使用しています。紙は平面であっても、単に下地として機能するだけでなく、質感や彫刻的な次元を加えることで表現の幅が広がります。また、紙の上で繰り広げられるトライ&エラーの過程を意識することで、新しい視覚効果が生まれてきます。 現代の作家は、素材、手法、コンセプト、主題をダイナミックに組み合わせて表現しています。さらに技法や手業だけでなく、積極的にITスキルを活用して既成の境界線に挑戦し続ける場合もあります。紙の作品のなかに込めた思考や痕跡は、たとえ時が過ぎても新しい解釈を生み出し、その感性はいつまでも紙にとどまっています。

本展では、1950年代以降の作品から現在のアーティストによって制作された紙の作品に焦点を当て作品を紹介します。同時に、1960年代後半以降の時代背景を踏まえて、当時のアート雑誌などの貴重な資料とともに「メディア」「版画と教育」「印刷とデザイン」について考察します。本展の出品作家は約45名、作品数は50点におよびます。これらは個人コレクションと本学美術領域教員による作品で構成されています。時を経て紙にとどまるイメージの数々と、アートやグラフィックアートの魅力を紹介します。

長尾 浩幸 (成安造形大学教授)

木村秀樹 In the Shade of a Tree. 紙、シルクスクリーン 56×76cm 1983
Stripe Man, シルクスクリーン・コラージュ・紙 78.5×58.5cm 1984年
君平 熱のドローイング-地殻- 画用紙,クレヨンパステル 767×1085×300mm 2011,2023
馬場晋作《縁をツギつキテ纒ワルことノ事(/)》木枠、紙にインクジェットプリント、アクリル 83×60.5cm 2022
藤井俊治 世界が気づく輝き 紙に水彩、雲母、ラメ 42×76cm 2015年

展覧会名 :「ON PAPER 紙にとどまるもの」
会場 : 成安造形大学 ギャラリーアートサイト、ギャラリーウインドウ
住所 : 〒520-0248 滋賀県大津市仰木の里東4-3-1
TEL : 077-574-2118(直)
日程 : 2023年7月18日(火)〜7月29日( 土)
会期中無休 11:00—17:00
※23日(日)はオープンキャンパスのため10時より開館 入場無料
企画:長尾浩幸 成安造形大学教授
協力:成安造形大学 総合領域、美術領域
カタログ執筆:中谷至宏 成安造形大学教授

キャンパスが美術館サイト

特別講義1「地域」 と「わたし」が溶け込む場のデザイン 【3日目:イベント当日編】

株式会社ロフトワークの方々を講師として迎えた2023年「特別講義1」 レポート3日目です。
シェアオフィス「葡萄とパスタ」を知ってもらう来てもらうためのイベント「梅小路の屋上縁日 vol.0」当日です!

4月16日(土)が初回のこの授業。5/20(土)本番までの短期間でまとめ上げ、近隣の親子連れなど一般の方々も多く参加していただき、みなさんに1日楽しく過ごしてもらいました。

それではお楽しみの3つの企画をレポートします。

余剰野菜deホットサンドとスムージー
西喜商店の野菜を使ったホットサンドとスムージーをみんなで作りました。
たまたまその日に市場で出た余剰野菜をどうやって美味しく食べるか、味のバランスを工夫し楽しみながら、参加者が自由に具材をチョイスしてホットサンドを作って食べました。
「葡萄とパスタ」屋上のプランターで育てている野菜も使いながら、スムージーでは意外な組み合わせで新しい味を参加者が新発見!

版画deリ菜クル ゲスト講師は版画家の若木くるみさん。
ホットサンドで出て生ゴミとなるはずの野菜の切れ端や、「葡萄とパスタ」で育てている葡萄の葉っぱを使って版画づくりに挑戦。
切り方や組み合わせで変わる「野菜のカタチ」を発見しながら、参加者が思い思いの「作品」を制作し「つくること」を楽しみました。
野菜の版を吸った後に筆で加筆することでより野菜のカタチの面白みが引出されます。

葡萄の葉deブックシェルフ
コミュニティの人たちが「葡萄とパスタ」に好きな本を持ち寄り、自由に読んで楽しめる空間になって欲しい!というコンセプトで、ここに常設するミニミニ図書館「葡萄文庫」を提案。
参加者にブドウの葉っぱを叩いてもらい模様を転写した布を使って、廃材を使いながら子供と一緒に本棚を作った。最初の蔵書として学生が運び込んだ本や雑誌を並べて完成!かわいい図書館ができました。


フィールドワーク、企画、準備、イベント当日と密度のある3日間となりました。
得意なことがそれぞれ違うメンバーがお互いを補完して、工夫することでイベントを成功させることができました。
カチッとした型にはまった「授業」ではなく、いつもと違う「現場」で肩の力を抜きつつ、とにかく手を動かして偶然発見した面白いことを生かし、その時々のベストな判断で企画を進めていくことで、楽しみながら体験することができました。

特別講義1「地域」 と「わたし」が溶け込む場のデザイン【2日目:準備編】

株式会社ロフトワークの方々を講師として迎えた2023年「特別講義1」のレポート2日目です。
前回はシェアオフィス「葡萄とパスタ」を知ってもらう来てもらうためのイベントを行うことが決まり「食」「ワークショップ」「循環」という3つのチームに分かれました。
この日までにそれぞれzoomやLINEなどを使ってミーティングを重ね、企画の内容を考えてきました。

イベント名は【梅小路の屋上縁日 vol.0】に決定。
オフィスとして借りてみたい人や、近所に住んでいる人たちが気軽に立ち寄れる機会として「葡萄とパスタ」の縁日を実施。
今回のイベントを皮切りに今後も続いていけばと思い、vol.0として開催することにしました。


3つの企画を詰めていくために、アイデア出しと試作しながら当日に向けての準備を行いました。

各チームの企画はそれぞれ以下のようになりました。

「食チーム」:前回の西喜商店さんで学んだ余剰野菜を食べるイベントを行いたい。

「ワークショップチーム」:捨てられてしまう素材を再利用したワークショップを行いたい。

「循環チーム」:「葡萄とパスタ」で日常的に、本や物の交換ができるような何かをつくる。

「食チーム」はこの日も西喜商店に足を運び、余剰野菜について1つずつレクチャーを受けました。
そのあと購入した野菜を使って3日目のための試作を行いました。

「ワークショップチーム」は服部先生のアイデアで「この町で暮らす人 働く人」として版画家の若木くるみさんをゲスト講師としてお招きし、版画のワークショップを行うことになりました。

「循環チーム」は立ててきた企画をより実現可能なものにブラッシュアップをして、内容を絞りました。
水口さんと相談をして、「葡萄とパスタ」の屋上にあるプランターを再利用させてもらうことに。

イベントのチラシを作成しています。
チラシのロゴを、ワークショップチームのゲスト講師としてお招きしている若木くるみさんに依頼しました!

葡萄をモチーフに賑やかな縁日の様子が描かれています。イベント当日が楽しみです。


特別講義1「地域」 と「わたし」が溶け込む場のデザイン【1日目:リサーチ編】

オープンコラボレーションを通じてWeb、コンテンツ、コミュニケーション、空間などをデザインするクリエイティブ・カンパニー 株式会社ロフトワークの方々を特別講師として迎えた「特別講義1」が5年目に入りました!今回は京都・梅小路エリアにあるシェアオフィス「葡萄とパスタ」を舞台に、自分やチームメンバーの得意な分野を活かした場づくりを実践します。講師はロフトワークのクリエイティブディレクター、服部木綿子先生です。

今年は全3日間で構成。成安造形大学を離れて「現場」で発想し実践的に学びます。
この記事では1日目をレポートしていきます。

第一部
「葡萄とパスタ」のお向かい「Umekoji MArKEt」2Fのオープンスペースで服部先生そして外部パートナーとして参加される先生の自己紹介をしていただきました。

服部木綿子さんは岡山の田舎で農業や狩猟に関わり、ゲストハウスを運営。その後、神戸で農産物店のマネージャーとして地域のコミュニティ支援を行なってきました。ひとりひとりが持っている能力を分かち合えるプロジェクト作りが得意で、異なるバックグラウンドの人々が肩書きを超えてつながる瞬間を大切にしています。

水口 貴之さん京都R不動産 代表) 授業の舞台となる「葡萄とパスタ」の発起人であり責任者。大学を卒業後、東京での広告代理店にて営業・アライアンス業務を担当。祖父の家が築数百年の茅葺屋根 の古民家だったことから、趣きのある物件を住みつなげるようにしたいと2016年に不動産・リノベーション事業を行う会社を設立。その後、2017年京都R不動産をオープンしました。

奥 祐斉さん株式会社bona代表)「葡萄とパスタ」の入居者の一人。106の国と地域を旅してきた旅人です。アフリカでの暮らしで心を救われ、アフリカのおおらかで多様な価値観を日本に広めることを目指しています。イベントやツアー企画、プロダクト開発、コミュニティビルディングなどを行いながら、スパイスの輸入や企画旅行の販売も手がけています。アフリカ産のスパイスにこだわったAfrica Colaの販売も行っています。

葡萄とパスタとは
水口さんが発起人として立ち上げたシェアオフィス。賃料でデスクを一つ借りて、他のスペースは自由に使えるようにしています。屋上には葡萄の木があって、水口さんいわく入居者と野菜を作ってパスタを食べたいから名前は葡萄とパスタにしたとのこと。
服部先生は近所のひとたちと一緒にプランターをつくるなど「葡萄とパスタ」の立ち上げに深く関わっており、この場所を子供が学校帰りに宿題をしたり水やりをしたりできるそんなオフィスにしたいと語っています。

第2部
フィールドワークを行いました。まずは京都の食を支える京都市 中央市場へ。
4月1日にオープンしたばかりの京都市 中央市場 水産棟見学エリアの入り口で水口さんのレクチャーを受けました。

食品ロスに取り組む八百屋さん西喜商店でのリサーチを経て、「普段、自分たちの口に入る野菜がどのように作られ、どのような人々の手を経て食卓に届けられているか?」を実感し、それぞれの人に生活があり使命があり苦労があることを知りました。また「葡萄とパスタ」が立地している町の特性をだんだんとつかんできました。

レクチャーのあと、西喜商店の余剰野菜を購入しました。

第3部
西喜商店で仕入れた余剰野菜をどう活かせるかを考え、グループに分かれ3タイプのパスタを作り、調理すること+食べることを見つめ直しました。

この日導き出したテーマ
「この町で暮らす人 働く人に、来て欲しい。なって欲しい。」
に沿って、一般の方々に参加を呼びかけるイベントを開催することに決定。
3チームに分かれ次回までに企画を考えて来ることになりました。