研究生のLAI BOHANさんの撮影と編集による「Review of artbook」と題した映像作品を披露しました。また、総合領域4年生の阿部優輝さんが「鑑賞の手引き」を編集、作成しました。在校生や受験生に向けて、本人のイラスト入りでドローイングや版画の技法を紹介し、わかりやすく解説しています。それぞれ企画・監修は長尾が担当しました。
「Works on paper」は、紙を支持体とするあらゆる芸術作品を含む広義の意味です。ドローイング、絵画、版画、写真、コラージュ、オブジェ、彫刻など、展示される作品はすべて何らかの形で紙を使用しています。紙は平面であっても、単に下地として機能するだけでなく、質感や彫刻的な次元を加えることで表現の幅が広がります。また、紙の上で繰り広げられるトライ&エラーの過程を意識することで、新しい視覚効果が生まれてきます。 現代の作家は、素材、手法、コンセプト、主題をダイナミックに組み合わせて表現しています。さらに技法や手業だけでなく、積極的にITスキルを活用して既成の境界線に挑戦し続ける場合もあります。紙の作品のなかに込めた思考や痕跡は、たとえ時が過ぎても新しい解釈を生み出し、その感性はいつまでも紙にとどまっています。
木村秀樹 In the Shade of a Tree. 紙、シルクスクリーン 56×76cm 1983 Stripe Man, シルクスクリーン・コラージュ・紙 78.5×58.5cm 1984年君平 熱のドローイング-地殻- 画用紙,クレヨンパステル 767×1085×300mm 2011,2023